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JORNAL
Room Number
101
Sweet
菓子屋sanico
菓子屋sanicoを立ち上げた友人とは10代の頃からの友人で、彼女は出会った頃から今までの10数年間、ずっとお菓子とそれにまつわるものに向き合ってきている人です。
こんなに長く一つのことに向き合って、深めて、それでいてお菓子以外の知見も広げ続けていて、、そんな彼女のことを私はただのお菓子職人ではなく、クリエイターだと思っています。
まず最初にどんなケーキを作ろう?と話し合った時に、私が好きなしっとりとしたパウンドケーキをホールで食べたい!それでいて、見た目も可愛くて、もらった人がハッピーになるようなケーキで!あと、お酒に会うケーキも今後は作れたら嬉しいな~という小言とともに、無茶な願望を伝えました。そしてお互いにアイディアを出し合って一つは「岡山」のものをたくさん取り入れたものにしよう!と話がまとまりました。
第一弾の試作を見た時には、既に今売り出しているLemonの見た目とほぼ同じものが出てきました。さすがです!
私の願望を全て叶えてくれたケーキが目の前に現れた時は、本当に嬉しくて嬉しくて、、涙こそでませんでしたが(笑)はやくも感無量でした。
岡山の郷土料理「ばら寿司」からヒントを得た箱の中にケーキを隠すというアイディア
岡山でお祭りやお祝いなど「ハレの日」のご馳走として親しまれている郷土料理「ばら寿司」をイメージし、ケーキの飾りつけは色とりどりのドライフルーツやナッツを散りばめて、見た目もとても可愛く仕上げてくれました!
「ばら寿司」の起源は、江戸時代に備前岡山の大名、池田光政が自国の人々に贅沢をしないようにと「食事は一汁一菜とする」というお触れを出したことに始まります。祭りの日など特別な日にごちそうを食べたい人々は、魚や野菜を目立たないようにシャリの下に隠し、見た目は一汁一菜ですが、中にはたくさんの具が入ったごちそうである「ばら寿司」を誕生させました。そんなストーリーからヒントを得て、箱の中にケーキを隠すというアイディアも盛り込みました。
食材へのこだわり
パウンドケーキの食材もとてもこだわってくれています。メインの食材でもある小麦粉は岡山県産のものを使い、さらに瀬戸内産のレモン果汁を生地にもアイシングにもたっぷり使っているので、一口食べた瞬間に「すんごい、レモン!!」と言ってしまったぐらいに、正に「レモンケーキ」でとても私好みな味になっていました。
また彼女は鳥取県の出身で地元では有名な大山バターを使っていたりと、中国地方の中心の地産地消のケーキが出来上がりました。(※仕入れの状況によって食材内容が変更になる場合もあります)
第一弾では1種類だけに絞って販売スタートさせるつもりだったのですが「お酒の効いたケーキも作ってみちゃった!」と、笑顔で出されたのがRumでした
こちらも食べた瞬間から芳しいラムの香りが口いっぱいに広がり、お酒を飲んでいないのにとても満足させられる味でした。私はこの試作で十分美味しいと感じたのですが「納得がいかない」と言って何度も試作を重ねて、お酒好きな私が大好きなケーキに仕上げてくれました。さすがです!
「安全」と「エコ」を大切に
彼女が物作りをする上で大切にしているのは「安全」と「エコ」。彼女のブランド「sanico」は添加物はもちろん、お砂糖を使わないお菓子も多数あり、また包装を簡易化してなるべくゴミがでない方法をいつも考えています。
彼女とはとても長い付き合いですが、会う度に未来の話に花が咲く、そんなありがたい関係です。
これからも色んな経験・体験を一緒にして、また新しい何かを作り出していくことが、私たちらしい未来なんだと思います。